遺品整理で残されて困った物
2022年05月30日 17:06:33
高齢化社会の現在、誰でも一度は「遺品整理」に直面するのでは無いでしょうか。
ご両親や祖父母の遺品整理を経験すると思わぬ一面を知ったり、色々と考えさせ
られる様になった人も少なくありません。
亡くなられた方の人生（生き様）＝遺品であり、故人の想いがあり、大事にして
こられたからこそ、残っているのだと思います。
そういった想いが残る遺品整理ですが、残された家族としては、「ちょっとこれ
は処分に困る‥」と思うものもあります。勿論、今更本人に伝えることは出来ま
せんが、自分がその立場になった時にどういった物が困るのかを知っていれば、
いざという時にも安心出来ますし、これからの参考にもして頂けると思います。
遺品整理では希望通りにならないことも・・
遺品の整理は思ったよりも困ることが多いと思います。生前は本人に「これはい
らないでしょ」と面と向かってはっきり言うことは無いと思います。しかし、現
実に遺品整理の現場で片付けをするようになると、早く捨てておけば良かったの
にと思ったり、また、思われることもあるかもしれません。
本人（故人）にとっては大切な宝物であったとしても、それを子供や孫、親族が
同じように大切に感じてくれるかどうかは分からないものです。そんな遺品整理
を見たり、経験して、早めに遺品整理をしよう、と考えた話を最近はよく耳にし
ます。生前整理普及協会のミーティングセミナー等でもよく出てきます。
遺品の多くは、今まで知らずにいた故人の想いがたくさん詰まっています。
そうだからこそ簡単に割り切れずに処分出来ない物が多いのです。故人と一緒に
長い間、暮らしていた人であれば要る物とそうでない物の区別はつくでしょうが、
ずっと離れて生活していた場合は、判断するのは大変です。
遺品整理で困るのはどんな物？
残されて困る遺品はどの様な物があるのでしょうか。
例えば、重い物や大きくかさばる物は労力が要りますし、思い出の品になると、
中々、処分しづらくなります。
それらを一つ一つ、判別し整理して処分するとなると、手間暇や金銭的にも、か
なりの労力とお金がかかります。
生前整理普及協会では、そういった物の整理をするお手伝いもさせて頂いており
ますので、そういった機会があれば利用してみるのも良いと思います。
１．衣類
ブランド物の洋服なら、まだ着る機会もあるでしょうが、着古した衣類やシミ
などで傷んでいる衣類は、余程、思い入れがあって再利用出来る物でなければ
残しても残されても困るだけになります。
引き取ってくれるかどうかを親戚や友人の方に確認してみて、それでも要らな
いのであれば処分しましょう。最近は、どこかにまとめて寄付をしたり、着物
や洋服をアレンジしてネクタイやポーチなどにリメイクしたりするのも流行っ
ているようです。
自分の親戚に、余計な物を残して、なんて言われたくありませんよね。自分が
大事にしてきた物であっても、自分が亡くなると残された側からすると不用品
になってしまう物もたくさんあります。もちろん必要な物まで捨てることはあ
りませんが、使っていない物があれば生前の段階で整理して処分する事を検討
してみてもいいのではないでしょうか。
２．寝具・家具
残される遺品の中でも大きくかさばり処理に困る物と言えばやはり寝具と家具
です。寝具は、敷き布団・掛け布団・シーツ・毛布・枕などがありますが、故
人が使用していた物だと再利用するにも抵抗感があると思います。
来客用の寝具や使わなくなった布団などは、再利用するケースも多いようです
が、そのまま使うのは難しく、不足分が無いのであれば、手間は掛かりますが
まとめて処分した方がいいのではないかと思います。
３．趣味
誰でも１つや２つは持っている趣味やコレクション等も処分に困るものです。
また、コレクションではなくても、お気に入りの時計やバッグ、宝飾品等も
そうです。もちろん、同じ趣味や好みがあれば譲り受けたりしても問題あり
ませんが、趣味の物は本人が亡くなると他の人にとっては不用品になります。
趣味の中身にもよりますが、自分にとってのオンリーワンやベスト３という
ように、本当に残したい物を残しておき、それ以外の物は処分する勇気も必
要だと思います。趣味のアイテムにもよりますが、趣味的な物は何かしらの
価値がある物が多いので、他の物を処分する際の費用にもなりますし、ひい
ては、残された方々の負担の軽減に繋がります。
４．写真
遺品整理の中でも困る物として特に多いのが「写真」や「アルバム」です。
写真は、最近では特にデジタル遺品としてこれまでの紙焼きの写真だけでは
なく、パソコンやスマホに残された写真への対応が、大きな問題として取り
上げられています。
アルバム等を見返してみると亡くなったご先祖様が一緒に写っていたり、家
旅行などの思い出の写真も多く、枚数も膨大になります。そんな思い出の写
真を選ぶのも大変ですし、思い出が甦ってきて、また悲しい気持ちになって
作業が進まなくなり、気持ちの整理もつかないまま、時間だけが過ぎていく
ことも珍しくありません。
そう考えると、自分のアルバムや写真を余裕があるとき等に見直して、選ん
でおくと残された家族の負担も少なくなると思います。
生前整理普及協会では、写真の選び方の一つとして、マイベスト100選とし
て、自分のお気に入りの写真を１００枚選ぶことをお勧めしています。
その選び方は、自分が一番輝いている笑顔の写真を選ぶのがコツです。
また、パソコンやスマホに残されているデータとしての写真の整理も進めて
いくと良いでしょう。データとしての写真もお気に入りの物は紙焼きにして
マイベスト100選に加える事をお勧めします。
データとしての写真だけで無く、パソコンやスマホに残っている金融取引等
のデータは、"誰も見ることが出来ないデジタル遺品"にならない様に、くれ
ぐれもご注意下さい。データを解読するのに思わぬ費用が掛かったりします。
５．本
本も遺品整理をする上では、結構困るものです。長い人生の中で繰り返し読
んだ思い出の本や、定年後にゆっくりと読書するためにおいていた本もある
ことでしょう。本好きな方だと、書庫に何千冊もの書物が残されていること
もあります。
本も資産ですから本が好きな方であればそのまま残しておいてもいいと想い
ます。それでも、もう読まないと思う本は処分されても良いと思います。
処分されなくても、また読みたい本ともう読まないと思う本に分けてもいい
のではないでしょうか。
焦らず、ゆっくりと時間を掛けて分けていけば、気持ちの整理にもなります
し、いざという時にどれを残せば良いのか、と迷わずに済みます。
遺品整理での不用品の処分方法
遺品整理で不用品を処分する方法は幾つかあります。亡くなられた直後は無論
ですが、しばらくしてからでも家族の方の気持ちの整理がつかない事も多く、
遺品の整理が終わるまでに何年もかかるケースの方が多いと思います。
生前整理普及協会のデータでは、遺品の整理が終わるまでの平均年数は約８年
です。
もし処分して欲しい方法がおありでしたら、エンディングノートなどに残して
おくと親族関係のトラブルの防止や、整理する一助にもなります。
１．形見分け
形見分けは、故人が愛用していた○○や、家族旅行をした時の○○のように
思い出深い物のほか、価値がある物などを家族や親族、親しい方で行います。
貴金属やブランド品の他、掛け軸や坪、絵画など亡くなられた後に「誰が」
引き取るのかで揉めそうな物は、敢て誰に受け取って欲しいのかを残して
あると安心です。
親族の方などが多いとどうしてもトラブルは起こりやすくなります。亡くな
った後にどの様な事態になるかは誰にも分かりません。大切な物は残して、
譲りたい人に譲り受けてもらえるようにしておきましょう。
２．お焚き上げ（供養）
例えば、ひな人形や仏壇など、故人が使っていた物でご家族の方がそのまま
処分をすることに抵抗がある場合などは、お焚き上げ等の供養をします。
ご家族の精神的な負担を和らげる事にも繋がりますので、選択肢の一つとし
て憶えておいて頂いて良いと思います。
３．自治体で処分する
形見分けや供養等をしない物や大型の物は自治体に処分してもらうことにな
ります。処分の方法などは自治体毎に細かく決まっていますので、それに従
います。回収の方法や時間等は制約も多く、大変かもしれません。特に粗大
ゴミに当たる物は何かと困ることも多いと思います。
４．買取り（リサイクルショップ）
遺品の中でも価値のある物や比較的新しく使える物は買取り店やリサイクル
ショップに買い取ってもらうと良いでしょう。
注意したいのは、ショップによって金額の差や引き取ってもらえる物と引き
とってもらえない物が違いますので、事前に確認しておいた方がいいでしょ
う。特に貴金属類等は、きちんと丁寧に見てくれるお店を選んで下さい。
５．不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者がリサイクルショップや遺品整理を運営しているような場合
もあります。自治体に処分してもらおうと思っていたのに品物を見て思い出
が甦ってきて片付けが進まず困ったりする等、様々な事情があると思います。
荷物が多かったり遠方だったりして、仕事の合間を縫って片付けたり休暇を
とったり等、時間のやりくりも大変です。業者に依頼すればゴミの分別も任
せられますし自治体の回収を待たなくてはならないような物もまとめて回収
してもらえます。遺品整理は自分の持ち物でない分、何かと手間暇が掛かる
事も多いので、業者に任せられるものは依頼してしまった方が負担も少なく
なります。遺族への負担という点では生前整理をお勧めします。
遺品整理の片付けは頑張りすぎないように
遺品は故人の思いがある物だからと、時間が掛かっても自分達で整理・片付
けないといけないと何か責任感のようなものを感じてしまう方もおられるの
ではないでしょうか。
しかし、遺品整理で疲れているのを故人が望んでいるとは思えません。出来
るだけ迷惑を掛けたくないと思っておられる方がほとんどだと思います。
であればこそ、整理や片付けにかかる手間は少しでも省ける部分は省いて、
業者に任せる部分は任せて負担にならない整理・片付けを行うようにして頂
けたらと思います。
まとめ
遺品整理は思った以上に大変です。手間暇は掛かりますし、思わぬ大きな出費
になることもしばしばです。残された家族の方も悲しい気持ちがあってもそれ
と戦いながら、慌ただしい時間を過ごしているのではないでしょうか。
だからこそ、少しでも手間暇の掛からない方法を模索しながらでも無理なく片
付ける方法を選んで下さい。
生前整理から遺品整理、それに伴う買取りや相続や自宅売却の他、介護や葬儀
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